なないろクリニック
院長が担っていたスケジュール管理をチームで運用。属人化を解消し、より多くの患者さんを受け入れることに成功。
奈良県奈良市の住宅地にある なないろクリニック様。
今回は、院長の池島英之先生と事務長の池島章司様にお話しを伺いました。
クロスログ導入による変化 | |
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導入前 | 院長によるスケジュール管理で属人化・事務負担による無駄や漏れが発生 |
導入後 | 属人化の解消・事務作業の自動化により、チーム全体で支える体制づくりに成功 |
Q.まずは貴院についてお聞かせください。
池島院長:
当院は2015年に奈良市西部で開業し、今年で丸10年になります。患者さんやスタッフの増加に伴い、2023年3月にクリニックを新建屋へ移転し、規模を拡大してきました。開業時は医師1名と事務3名でしたが、現在では常勤医師3名、非常勤医師5名、常勤看護師6名など計21名で、地域からの依頼を可能な限りお断りせずに、診療できる体制を目指しています。
ワーク・ライフ・バランスを取りやすい職場環境を目指して、院内の業務効率化を積極的に進めており、クロスログによるスケジュール管理はもちろんのこと、地域医療介護連携ツールの活用や、最近ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入、医事会計の外注など、様々な業務の脱属人化・自動化を進めています。
Q. 以前のスケジュール管理方法の課題を教えてください。
スタッフと患者数の増加で、属人的な管理体制が追いつかない状況に。
池島院長:
以前はExcelでスケジュール管理を行っていました。私がExcelで患者さんの名前を並べてスケジュールを立てていき、事務が電子カルテへ1件ずつ手作業で登録。ルートチェックも人の目で行うアナログな管理体制でした。
常勤医師2名以上になると、看護師も一緒に管理するようになりましたが、入職年数が浅く、地理に不慣れなスタッフにとっては大きな負担となっていました。
実際に、1日で訪問するエリアにばらつきがあり、移動時間の偏りや無駄が目立つようになってきました。
また、患者宅を訪問した際に不在であったり、入浴介助の最中だったりと、診療のタイミングを逃すケースも少なくありませんでした。
Q. クロスログ導入の経緯について教えてください。
池島事務長:
2022年に私が事務長として入職し、院長自らがスケジュール管理しているという話を聞いて、「これは早く手放してもらわないと」と感じたのを覚えています。
業務の属人化を解消し、チームで支え合える体制をつくるには、まずはスケジュールのアナログ管理を脱却することが重要だと考えました。そうした中でクロスログを知り、院内に提案しました。
決め手になったのは、NGスケジュールの反映ができること、Googleマップと連携して訪問ルートが視覚的に確認できること、そしてセコムOWELと連携してスケジュール反映が可能なこと。この3点が非常に大きかったです。
この仕組みで現場の負担を大きく減らせると感じ、導入を決めました。
Q. クロスログを導入してどう変化しましたか。
脱属人化でチーム全体での運用を実現。連携や自動化で業務が“つながる”実感も。
池島事務長:
直感的にスケジュールを作成でき、属人化を脱することができました。
Googleマップとの連携などはもちろんのこと、エリアごとに患者カラーを付与し、アイコンを活用するなど、カレンダーを見た時に視覚的に把握できるようになりました。
導入当初は、Excelに慣れてきたスタッフから懐疑的な意見もあり、一部のスタッフに運用が偏っていましたが、話し合いを重ねて運用ルールを明確にすることで、毎月持ち回りによりチーム全体で管理できるようになりました。
さらに、最近ではRPAと組み合わせることで、クロスログから出力したスケジュールを自動でOWELに取り込めるようにしました。毎朝手動でしていた作業がゼロになり、事務作業全体がスムーズになっています。
クロスログには、Googleカレンダーと連携させる機能もあるので、勤怠管理のために連携させており、バラバラだった情報が、今ではひとつの流れでつながるようになった感覚があります。
Q. その他の機能の活用はいかがでしょうか。
池島事務長:
CrossLog Connect(電話帳共有アプリ)
これまで夜間や休日の電話対応では、誰からの電話か分からず、対応する看護師や医師にとって心理的な負担が大きかったです。患者さんが焦ってしまい、声が遠かった場合、上手く聞き取れず掛け直す手間が発生していましたが、CrossLog Connectは着信時に患者名が表示されるので、スムーズに対応できるようになりました。
導入のきっかけは看護師の声でしたが、今では「本当に楽になった」と好評です。
CrossLog Report(経営分析・紹介管理)
導入したばかりですが、経営方針の説明ですぐに使えるデータになっており助かります。
緊急往診が増えるタイミングや、新規・終了患者の動向が可視化されたことで、予測ができるようになりました。以前はデータ自体もバラバラで手作業による加工が必要でしたが、自動でレポート・グラフ化されて手軽に確認できています。
さらに、関連事業所の分布をマップ上で見ることができるのも便利です。患者さん宅の近隣で訪問をやっている薬局を紹介するときなどに役立っています。
Q. 最後に今後の展望をお聞かせください。
池島院長:
私たちが目指しているのは、地域の在宅医療の受け皿であり続けること。
今後、より多くの患者さんを受け入れていくには、スケジュールに余裕を生み出す必要があります。そのためにも、業務の見える化と自動化はまだまだ進めていくつもりです。
「自宅で過ごしたい」と思っている患者さんの思いに応えられるように、現場の声に耳を傾けながら、チーム全体で地域医療を支え合えるクリニックを目指していきたいと思います。