清水メディカルクリニック
半日かかっていた予定調整がわずかな調整で完了。訪問診療からBCP対策まで地域医療を支える基盤ツールになりました。
兵庫県明石市と神戸市新長田に拠点を構える、清水メディカルクリニック様。
今回は、院長の清水政克先生と看護師の白藤沙織様にお話しを伺いました。
クロスログ導入による変化 | |
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導入前 | エクセルとホワイトボードに依存しており、スケジュール調整に半日もかかっていた。 |
導入後 | 直感的な操作で作業時間が短縮。訪問診療からクリニック運営管理まで幅広く活用。 |
Q.まずは貴院についてお聞かせください。
清水先生:
当院は兵庫県明石市と神戸市新長田の2拠点で、外来診療と訪問診療を行っています。訪問診療では年間50〜70名のお看取りをしており、乳児や小児ケアにも力を入れています。「0歳から100歳まで幅広く診る」ことを当院のコンセプトに掲げています。
元々、外来から在宅へとシームレスに移行できる体制を整えたいと考えており、複数医師体制の必要があったため、父と一緒に2011年に開業しました。その後、2024年に新長田院を立ち上げ、現在は明石では外来と訪問診療が半分ずつ、新長田では訪問診療を中心に展開しています。
Q. クロスログ導入前はどのような課題をお持ちでしたか。
エクセルとホワイトボードで担当者に依存した管理
白藤様:
以前はエクセルでスケジュールを管理していました。
患者さんの名前を手作業で入力し、訪問頻度や処方内容の色分けも毎月一から作り直す必要がありました。ホワイトボードにも予定をマグネットで貼っていたのですが、落ちてしまうとどの予定が変わったのか分からなくなってしまうこともありました。
変更があれば必ずスケジュール担当である私を通す必要があったので、負担が大きかったです。毎月スケジュール調整の作業で半日もかかっていました。
Q. クロスログ導入の決め手は何ですか。
清水先生:
医師2名体制になり、患者数も100名近くまで増えて、従来のやり方を変える必要があると感じました。正直、最初は新しいシステムの導入にはあまり前向きではありませんでした。
ツールが増えることで現場が混乱するのではと懸念しており、実際に現場スタッフもあまり賛同していませんでした。
その後、オンラインデモで実際の画面を見たときに、非常に見やすくて使いやすそうとすぐに感じました。iPhoneでも使えるという点も決め手となり、導入に踏み切りました。
Q. クロスログ導入してどう変化しましたか。
直感的な操作でスケジュール調整がスムーズに
白藤様:
予定調整を各スタッフが直接できるようになり、大幅に効率化できました。
毎月一から作り直していた予定も、いまは翌月以降にベースの予定が出来ているため、少し調整するだけで済みます。
マニュアルを見なくても直感的にできるので、当初はシステム導入に抵抗感がありましたが、あまり苦労しませんでした。
カレンダー上で診療エリアや同一住宅などもぱっと見て分かるので、予定調整が簡単になりました。
清水先生:
今では「クロスログなしでは業務が回らない」と断言できます。
訪問診療の予定管理だけでなく、研修医の受け入れ計画などクリニック全体の運営管理にも活用しています。
アップデートの速さも魅力ですが、機能が増えても操作で迷わないのが非常に良い点ですね。
Q. クロスログで便利な機能はありますか。
白藤様:
訪問回数とNGスケジュールのチェック機能があり、以前は患者さん一人ずつ確認していたのですが、今ではボタン一つで済むようになり、とても助かっています。
また、独居患者さんのキーボックスやコインパーキングの場所を登録できるので、初めてのスタッフでもスムーズに業務を行うことができます。
あとは、当日の予定一覧を印刷して活用しています。予定だけでなくタグ情報(医療機器使用者、エリア、介護度など)が一緒に出せるので、タブレット端末がないスタッフにも情報共有ができて便利です。
Q. BCP対策においてはどのように活用していますか。
清水先生:
当院はBCP(事業継続計画)にも力を入れており、クロスログを災害時の診療情報共有ツールとして位置付けています。
- 患者情報基盤
ネット環境があればクロスログは利用できるため、院内で停電やシステム障害が起きても患者情報を確認することが可能です。診療内容などをメモすることもできるため、災害時も訪問診療を継続できます。
- 安否確認優先度の可視化
被災想定区域をクロスログのマップに表示し、患者さんごとに「A〜D」の避難優先度をタグで分類しています。Aは医療デバイスに依存しており自主避難が困難な方、Dは医療デバイスはなく自主避難可能な方、といった基準を設けてマニュアル化しているので、災害時に「誰から対応すべきか」が一目で分かる仕組みになっています。
- スタッフの通勤情報管理
各スタッフの通勤手段や災害時の通勤ルート情報などをクロスログに登録しています。非常時でも人員配置をスムーズに行える体制を築いています。
Q. 最後に今後の展望をお聞かせください。
清水先生:
最初に開業した明石では10年以上にわたって在宅医療の文化を育ててきました。これからは新長田でも同じように取り組みを進めていきたいと考えています。
新長田は外国籍の患者さんが多いなど、これまでとは異なる状況にも直面しています。成人移行期の患者さんも増えているので、法人全体として知見を広げ、引き続き地域の医療に貢献していきたいと思います。