【開催レポート】 2025年5月24日 「変革のヒントを学ぶ!在宅医療の経営・DX戦略」

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20250524セミナー開催レポート

2025年5月24日(土)に クロスログリリース5周年を記念して、オンライン・オフライン両形式の「ハイブリッドセミナー」を初めて開催しました。

クロスログをご活用いただいているユーザー様を登壇者に迎え、在宅医療の現場での取り組み事例を交えながら、クリニック運営、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改善などをお話しいただきました。
現地参加者限定では、座談会・懇親会も実施し、地域や職種の枠を超えた活発な意見交換・交流が行われました。本レポートでは講演内容の一部や当日の様子をお届けします。ぜひご覧ください。

セミナー概要

  • テーマ:変革のヒントを学ぶ!在宅医療の経営・DX戦略
  • 開催日時:2025年5月24日(土)
  • 開催形式:ハイブリッド(現地+Zoom配信)
  • 会場:ビジョンセンター有楽町(東京都千代田区)
  • 対象:在宅医療クリニックの医師・看護師・事務、医療メーカーなど



オープニング

クロスログ代表の宮原より、ハイブリッドセミナー開催背景やクロスログのサービス概要、今後の開発予定機能についてご紹介しました。

今回のセミナーは、クロスログの5周年を機に「何か新しい取り組みをしたい」という想いから始まりました。ただそれだけでなく、現場で培われた医療DXの試行錯誤やノウハウを共有できる場をつくり、地域や職種の垣根を越えてつながりを広げていきたいという想いも込められています。

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事例紹介

続いて、訪問診療クリニックの院長や事務長など4名の登壇者をお迎えし、現場におけるIT・DX導入とその活用事例についてご紹介いただきました。

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「生成AIで実現する業務効率を最大化する方法」 合同会社URO 代表 内藤 晶裕 先生
生成AIを活用した業務効率化の支援を行っており、今回は診療情報提供書や主治医意見書の作成事例を紹介。主にChatGPTを活用して、写真データの文書化から誤字脱字のチェック、カルテへの転記までの作業を従来の1時間から約15分に大幅短縮。プロンプトを工夫することで、より高度な文章生成も可能で、難しい医療用語を一から入力する手間も省けます。 紹介状の評価をChatGPTに任せることもあり、今では「生成AIが業務の相棒」と言えるほど、日々の業務に欠かせない存在になっています。


「在宅医療の限界を越える働き方改革と連携力」 医療法人忠恕 春日部在宅診療所ウエルネス 院長 笹岡 大史 先生
経営効率と医療の質の両立を目指し、クロスログやChatwork、Googleマップ、Dropboxなど複数のITツールを活用。スケジュールや情報の一元管理にはクロスログを、電話連絡にはクロスログコネクトを活用し、現場の連携をスムーズにしています。 その他にも働き方改革の一環として、チケットレストラン(福利厚生)や骨伝導イヤホンの導入など様々な工夫をしてきました。 また、急性期医療から在宅医療へのキャリアチェンジをしており、意思決定の迅速さや多様な業務への関与、キャリアの長期化を実現できています。


「多職種連携と集患・営業対策」 メディカルインフォマティクス株式会社/医療法人社団 悠翔会 川田 賢一郎 様
多職種連携・診療アシスタントの業務効率が課題でしたが、クロスログ導入によりルート調整にかかっていた時間が5日分から1日分に大幅削減。MSWとアシスタント間の新規調整も即時確認できるようになり、ほぼ不要となりました。 集患・営業対策においては、リーダー層のコミットと全スタッフのマインドセットが鍵となり、それだけで患者数が約40%増加。以前はカルテや外部サービス間の確認作業に時間を要していましたが、クロスログレポート導入により事業所のマッピングや紹介元の進捗管理もスムーズに。業務効率化にとどまらず、多職種連携やタスクシェアも進みました。


「患者相談のデータ管理〜医療機関から地域の事業所へ〜」 医療法人五麟会 中村 祐太 様
訪問診療の売上増加の施策において、今回は「新患数を増やす」に注目。 これまでは医療機関からの相談が中心でしたが、近年はケアマネからの相談が主流に。訪問診療クリニックの選択肢が増える中、ケアマネに自院を選んでもらうためには、こちらから積極的にアプローチする姿勢が重要になってきています。 相談管理を以前はスプレッドシートで管理していましたが、現在はクロスログレポートを活用し、戦略的なデータ分析が可能に。将来的には患者や家族に直接選ばれることを目指し、外来や訪問看護・居宅介護の開設など、相談の入り口を広げる取り組みも進めていく予定です。



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最後に、参加者から寄せられた質問をもとにトークセッションを行いました。

現場スタッフのスキル把握や夜間往診の体制構築など、幅広いテーマが挙がる中でも、特に関心が高かったのが生成AIに関する話題でした。その他の活用やセキュリティ面について意見交換が行われました。

座談会

オンライン配信は第1部の事例紹介までで終了し、その後は現地参加者で座談会を実施しました。

テーマは「在宅医療のDX・業務の“詰まりポイント”を可視化」で、各テーブルごとに現場で直面している課題や、それに対してどのような工夫をしているかについてディスカッションが行われました。

すぐに解決が難しい課題も多い中で、「医療システム同士がつながること」「DX化だけでなくヒトを中心に対話を重ねながら進めていくことの重要性」などが共通認識として挙がっていました。

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懇親会

座談会の後は、会場内でささやかな懇親会を開催しました。普段交流することのない参加者同士が自由に情報交換する場となりました。

登壇者の方々にも引き続きご参加いただき、セミナー中には聞ききれなかった個別の質問や感想を直接伝える姿も多く見られました。

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参加者の声

  • 普段出会うことのない方々と交流できて有意義な時間でした
  • 新しい視点や日々の業務の中で漠然としているところを言語化していただきました
  • 登壇者の皆さまが違った立場や視点からのお話しだったので、現場で取り入れるヒントになりました



最後に

今後もクロスログでは、在宅医療の現場で日々奮闘されている皆さまの支えとなるような情報や学びの機会をお届けしてまいります。

今回ご好評いただいたオフラインセミナーは、今後も開催地を変えて企画していく予定です。 「現場で感じている課題を共有したい」「他院の取り組みをヒントにしたい」といった皆さまの声に寄り添える場を、これからもつくっていきます。

詳細が決まり次第ご案内いたしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。