医療法人社団淼 ごはんがたべたい歯科クリニック
感覚頼りからデータ運営へ。「最期までたべる」を支えるインフラと安心して働ける仕組み。

東京都板橋区にある医療法人社団淼 ごはんがたべたい歯科クリニック様。
今回は、事務長の永瀬太輔様にお話しを伺いました。
| クロスログ導入による変化 | |
|---|---|
| 導入前 | 土地勘がなくルート作成に時間を要していた。診療方針が優先されやすく、効率的な訪問計画が立てづらい状況だった。 |
| 導入後 | ルート可視化とデータ集約により、移動時間の削減やスタッフ主導の訪問計画を実現。感覚に頼らない予実管理や経営判断にも繋がった。 |
まずは貴院についてお聞かせください。
当院は、医療グループ「TEAM BLUE(やまと診療所・おうちにかえろう病院・おうちでよかった訪問看護)」の歯科部門として、患者さんの「たべたい」を叶えて、より自分らしく最期まで過ごせるよう訪問歯科診療を行っています。
急性期病院、地域包括ケア病棟などから自宅へ帰るための支援に加えて、居宅の患者さん中心で全体の約8割を占めているのが特徴です。
現在、非常勤を含めて医師7名、歯科衛生士8名、ドライバー2名の体制で、毎日5名の医師が稼働しています。1日あたりの訪問件数はあえて8〜9件に抑えて、治療だけでなく、患者さんとしっかり向き合う時間を大切にしており、患者さんと人生の最期まで「たべる」喜びを一緒につくり、笑顔でいられるようサポートしています。

クロスログ導入前のスケジュール管理の課題をお聞かせください。
ルート作成の負担と属人化により、現場に漂っていた見えない不安と疲弊
以前はGoogleカレンダーや紙でスケジュール管理していました。多くのスタッフがそのやり方に慣れてはいましたが、居宅訪問がメインなのでルート作成に非常に時間がかかっており、スタッフ自身も土地勘がないことに課題を感じていました。
当時、私はグループ内のやまと診療所から異動してきたばかりで、日々の移動時間の把握も曖昧なことから、見えない疲労感や不安感が現場に漂っているのを感じました。
また、スケジュール作成が一部の医師に属人化していたのも課題でした。医師の診療方針が優先されやすく、売上や効率に直結する計画が立てづらい状況になっていました。
クロスログ導入の経緯と、導入時の印象をお聞かせください。
グループ内のやまと診療所では既にクロスログを導入しており、私自身は使用していたので、利便性はとても感じていました。現場の労働環境の改善と事業計画の達成を両立するためには、スケジュールやルートの「見える化」と「効率化」が急務であると感じて、現職に就いてすぐにクロスログ導入を進めました。
現場にとっては大きな変化だったと思いますが、システム移行時に大変なデータ入力や初期設定はクロスログ側で全てサポートしていただけたので、導入は非常にスムーズでした。
クロスログ導入後は現場でどのような変化がありましたか。
ルートの可視化で移動時間を削減!スタッフが主体的に動ける安心の環境へ
最も大きな成果は、ルートが「見える化」されたことで移動時間が減り、患者さんとの時間をしっかり確保できるようになったことです。土地勘のないスタッフでもルートを作成できるようになったので、残業による不安や疲弊が解消され、スタッフが安心して働ける環境が整いました。
以前は医師に頼っていたスケジュール作成も、現在は主に歯科衛生士が担当するようになりました。「こちらのルートの方が近いので、他のラインから患者さんを受け取ります」といった提案が歯科衛生士から主体的に行えるようになったことは非常に大きな変化です。
各車両の現在地、患者さんの分布、そしてスケジュールの空き状況を瞬時に把握できるため、新規の依頼や緊急の往診に対しても、最短ルートで向かえるスタッフを即座に割り振れるようになりました。このように、感情的な判断ではなく事実ベースでの調整が可能になっています。

患者情報の集約としても期待されていましたが、その点はいかがですか。
カルテやレセコンでは管理しづらい「患者さんの人となり」の情報を集約する場として、非常に重宝しています。患者さんの背景や家族構成、利用しているサービスや注意事項など、人となりの詳細情報を記録できるので、スタッフ間での受け渡しも不安なく、安心して行えるようになりました。特定のスタッフに情報が偏ることなく、チーム全体で患者さんを見守る環境ができています。
こうした情報がチーム内で共有されていることは適切な人員配置にも活きています。医師が必要なケースと歯科衛生士の単独ケアで対応可能なケースを迅速に判断できるようになり、地域全体のニーズをこぼさず受け切る体制が構築できています。
現場の効率化以外に変化はありましたか。
可視化されたデータで、集患の戦略化から採用・教育まで意思決定の質が向上
あらゆる情報が可視化されたことで、事業運営に欠かせない「データに基づいた現状把握と予実管理」ができるようになりました。
以前は感覚に頼っていた部分もありましたが、現在は「治療」か「ケア」か、月あたりの訪問頻度はどの程度かといったデータも正確に把握できます。これにより、現在の稼働に対してどのくらい新規患者の受け入れが可能かなど予測と実績が明確になり、無理のない事業計画が立てられるようになっています。
また、患者構成だけでなく、集患に関するデータ分析も可能になりました。紹介元ごとの患者数や関連事業所の担当者との連携が見える化されたので、集患に注力すべきタイミングや活動計画も立てやすくなりました。データで自院の強みを可視化することで、集患活動だけでなく、採用やスタッフ教育など、経営のあらゆる意思決定の質が向上しました。

最後に今後の展望をお聞かせください。
当院にとってITの積極的な活用は、単なる効率化だけでなく、医師や歯科衛生士が専門職として患者さんと向き合い、私たちが大切にする「3つの価値」を提供するための時間を生み出すことにも直結しています。
高い専門技術を提供する「機能的価値」、食べる楽しみを支える「意味的価値」、そして家族の大切な時間を作る「情緒的価値」の3つです。これらの価値提供に時間を注ぎ、今後も「たべたい」と「たべさせたい」という想いをつなぐ役割を果たしていきたいと思います。
「訪問歯科といえば、ごはんがたべたい歯科クリニック」と思っていただける存在を目指して、訪問歯科を特別な医療ではなく、地域を支える「不可欠なインフラ(当たり前の医療)」として、これからも取り組んでいきます。

インタビューにご協力いただいたクリニック
■ 住所
〒174-0074 東京都板橋区東新町1-26-15-C
■ HP
https://dental.teamblue.jp/